新型クロスビー 馬力はどれぐらい?旧型との徹底比較と実走性能を解説

新型クロスビー 馬力完全ガイド

2025年10月2日に発売された新型クロスビーは、エンジンを1.0Lターボから1.2L自然吸気へと大幅に変更しました。

この変更により、馬力(最高出力)は99PS(73kW)から80PS(59kW)へと約19PSダウンしています。

一見するとパワーダウンのように見えますが、実は燃費性能の大幅向上と実用域での扱いやすさを追求した結果です。

本記事では、新型クロスビーの馬力について、旧型との詳細な比較を交えながら徹底解説します。

新型クロスビーの馬力:80PS(59kW)/5,700rpm
旧型クロスビーの馬力:99PS(73kW)/5,500rpm
差分:-19PS(約19%ダウン)

新型クロスビーのエンジンスペック

Z12E型

新型クロスビーには、スイフトやソリオにも搭載されている新開発のZ12E型 1.2L 直列3気筒自然吸気エンジンが採用されました。

マイルドハイブリッドシステムと組み合わせることで、燃費性能と走行性能の両立を目指しています。

新型クロスビー(2025年モデル)のエンジンスペック

項目 スペック
エンジン型式 Z12E型
エンジン種類 直列3気筒 DOHC 自然吸気
総排気量 1,197cc(1.2L)
最高出力 59kW(80PS)/5,700rpm
最大トルク 108N·m(11.0kgf·m)/4,500rpm
モーター最高出力 2.3kW(3.1PS)/1,100rpm
モーター最大トルク 60N·m(6.1kgf·m)/100rpm
トランスミッション CVT(無段変速機)
駆動方式 2WD(FF)/ 4WD
使用燃料 レギュラーガソリン

旧型クロスビーのエンジンスペック

クロスビー

旧型クロスビーは、K10C型 1.0L 直列3気筒直噴ターボエンジンを搭載していました。

ブースタージェットと呼ばれるこのエンジンは、1.0Lながら1.5L自然吸気エンジン並みのパワーを発揮する高性能ユニットでした。

旧型クロスビー(2017-2025年モデル)のエンジンスペック

項目 スペック
エンジン型式 K10C型(ブースタージェット)
エンジン種類 直列3気筒 DOHC 直噴ターボ
総排気量 996cc(1.0L)
最高出力 73kW(99PS)/5,500rpm
最大トルク 150N·m(15.3kgf·m)/1,700-4,000rpm
モーター最高出力 2.3kW(3.1PS)/1,000rpm
モーター最大トルク 50N·m(5.1kgf·m)/100rpm
トランスミッション 6速AT(オートマチック)
駆動方式 2WD(FF)/ 4WD
使用燃料 レギュラーガソリン

新型vs旧型:馬力の詳細比較

新型クロスビーのエクステリア

新型と旧型の馬力を比較すると、数値上では新型がパワーダウンしているように見えます。

しかし、エンジンの特性や実用性を考慮すると、一概にパワーダウンとは言えません。

項目 旧型(1.0Lターボ) 新型(1.2L NA) 差分
最高出力 73kW(99PS)/5,500rpm 59kW(80PS)/5,700rpm -19PS
最大トルク 150N·m(15.3kgf·m)/1,700-4,000rpm 108N·m(11.0kgf·m)/4,500rpm -4.3kgf·m
排気量 996cc 1,197cc +201cc
過給機 ターボチャージャー なし(自然吸気)
燃費(WLTCモード)2WD 18.2km/L 22.8km/L +4.6km/L
車両重量(2WD・MZ) 960kg 990kg +30kg
パワーウェイトレシオ 約9.7kg/PS 約12.4kg/PS

馬力の数値的な比較

最高出力の比較

  • 旧型:99PS(73kW)@ 5,500rpm
  • 新型:80PS(59kW)@ 5,700rpm
  • 差分:-19PS(約19.2%のダウン)

新型クロスビーは、旧型と比較して約19PSの馬力ダウンとなりました。

これは、ターボエンジンから自然吸気エンジンへの変更によるものです。

トルクの比較

最大トルクの比較

  • 旧型:15.3kgf·m(150N·m)@ 1,700-4,000rpm
  • 新型:11.0kgf·m(108N·m)@ 4,500rpm
  • 差分:-4.3kgf·m(約28%のダウン)

トルクも馬力同様に数値上はダウンしています。

特に注目すべきは、旧型は1,700rpm~4,000rpmという幅広い回転域で最大トルクを発揮していたのに対し、新型は4,500rpmという高回転域でのみ最大トルクを発揮する点です。

パワーダウンなのになぜ燃費が向上したのか?

新型クロスビーは馬力がダウンしたにもかかわらず、燃費は18.2km/Lから22.8km/Lへと4.6km/L(約25%)も向上しています。

この理由を詳しく解説します。

燃費向上の4つの理由

新型クロスビーのインテリア

1. 高効率な自然吸気エンジンへの変更

ターボエンジンは高出力を得られますが、構造が複雑で機械的な抵抗(フリクション)が大きくなります。

新型の自然吸気エンジンは、高速燃焼化と高圧縮比化などの技術により、シンプルな構造でありながら高い燃焼効率を実現しています。

2. CVTの採用による効率化

旧型の6速ATからCVT(無段変速機)へ変更されました。

CVTは常に最適なギア比で走行できるため、エンジンを効率的に回転させることができ、燃費向上に大きく貢献しています。

また、エンジンの回転変動を効率的に吸収することで静粛性も向上しています。

3. 低速域でのトルク特性の最適化

新型エンジンは、街乗りで最も使用される低速から中速域でのトルク特性を最適化しています。

無理に高出力を追求するのではなく、日常使用での扱いやすさと燃費性能を重視した設計となっています。

4. エンジン回転数の抑制

自然吸気エンジンとCVTの組み合わせにより、同じ速度で走行する際のエンジン回転数を低く抑えることができます。

これにより、燃料消費を抑えながら効率的な走行が可能になっています。

新型クロスビーと旧型の燃費を比較|WLTCモードでどれくらい進化?

2025.10.05

馬力ダウンは実走行にどう影響するのか?

数値上では19PSのパワーダウンですが、実際の走行ではどのように感じられるのでしょうか。

様々なシチュエーションで検証します。

街乗り(市街地走行)

結論:ほとんど違いを感じない~むしろ扱いやすくなった

街乗りでは、信号待ちからの発進や、低速での加速がメインとなります。

新型は自然吸気エンジン特有の滑らかなトルク特性により、アクセル操作に対してリニアに反応します。

旧型のターボエンジンは、低回転域ではトルクが細く、ターボが効き始める1,700rpm以降で急にパワーが出る「ドッカンターボ」的な特性がありましたが、新型はそのような急激な変化がなく、扱いやすさは向上しています。

高速道路での合流・追い越し

結論:パワー不足を感じる場面がある

高速道路での合流や、80km/h以上からの追い越し加速では、旧型のターボエンジンの方が明らかに有利です。

旧型は1,700rpm~4,000rpmという幅広い回転域で最大トルク150N·mを発揮していたため、高速域でもパワフルな加速が可能でした。

新型は自然吸気のため、高速域での加速力は旧型に劣ります。

ただし、普通に流れに乗って走る分には全く問題ないレベルです。

坂道・登坂路

結論:エンジンを回せば十分なパワーがある

急な坂道では、CVTの特性を活かしてエンジン回転数を上げることで、必要なパワーを引き出すことができます。

旧型のようなターボのトルクはありませんが、1.2Lの排気量と軽量ボディ(990kg)により、日常の坂道で困ることはないでしょう。

ただし、4人乗車で荷物満載の状態で急勾配を登る場合は、アクセルをしっかり踏み込む必要があります。

雪道・悪路

結論:むしろ新型の方が扱いやすい

雪道や悪路では、急激なトルクの立ち上がりはタイヤの空転を招きます。

新型の自然吸気エンジンは、アクセル操作に対してリニアにトルクが立ち上がるため、雪道などの滑りやすい路面では扱いやすいと言えます。

また、4WDモデルには「スノーモード」や「グリップコントロール」が標準装備されており、これらと相まって優れた悪路走破性を発揮します。

パワーウェイトレシオの比較

馬力だけでなく、車両重量とのバランスも重要です。パワーウェイトレシオ(1馬力あたりが負担する重量)で比較してみましょう。

モデル 車両重量(2WD・MZ) 馬力 パワーウェイトレシオ
旧型クロスビー 960kg 99PS 約9.7kg/PS
新型クロスビー 990kg 80PS 約12.4kg/PS

パワーウェイトレシオを見ると、旧型は1馬力あたり約9.7kgを負担していたのに対し、新型は約12.4kgと、約28%悪化しています。

これは、馬力のダウン(-19PS)と車両重量の増加(+30kg)の両方が影響しています。

参考:競合車のパワーウェイトレシオ

  • トヨタ ライズ 1.2Lターボ(97PS/980kg):約10.1kg/PS
  • ホンダ ヴェゼル e:HEV(106PS/1,350kg):約12.7kg/PS
  • マツダ CX-3 1.5L(111PS/1,250kg):約11.3kg/PS

新型クロスビーの12.4kg/PSという数値は、コンパクトSUVクラスとしては平均的なレベルです。

新型クロスビーの馬力は十分なのか?

新型クロスビー

結論から言うと、日常使用では十分な馬力です。

ただし、使用用途によって評価は変わります。

新型クロスビーの馬力が向いている人

  • 街乗りメインの方:信号の多い市街地走行では、扱いやすい自然吸気エンジンが適しています
  • 燃費を重視する方:22.8km/Lという優れた燃費性能は、ランニングコストを大きく抑えます
  • 1〜2人乗車が多い方:軽い乗車人数であれば、80PSでも十分なパワーを感じられます
  • スムーズな加速を好む方:自然吸気エンジンの滑らかな加速フィールが楽しめます
  • 静粛性を重視する方:CVTとの組み合わせにより、旧型より静かな走りを実現しています
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旧型クロスビーの馬力が向いていた人

  • 高速道路を頻繁に使用する方:ターボのパワーは、高速巡航や追い越しで威力を発揮します
  • フル乗車が多い方:4人以上での乗車時、ターボの余裕あるパワーが活きます
  • パワフルな加速を求める方:1,700rpmから効くターボは、加速感が楽しめます
  • 山道を走る機会が多い方:登坂路での力強い加速はターボならでは
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競合車との馬力比較

新型クロスビーの馬力を、同クラスの競合車と比較してみましょう。

車種 エンジン 最高出力 最大トルク 車両重量
新型クロスビー 1.2L NA 80PS 11.0kgf·m 990kg
トヨタ ライズ 1.2L ターボ 97PS 14.3kgf·m 980kg
ダイハツ ロッキー 1.2L ターボ 97PS 14.3kgf·m 970kg
ホンダ ヴェゼル(e:HEV) 1.5L ハイブリッド 106PS 13.0kgf·m 1,350kg
日産 キックス 1.2L e-POWER 129PS 26.5kgf·m 1,350kg

競合車と比較すると、新型クロスビーの80PSという馬力は最も低い数値です。

しかし、車両重量が990kgと最も軽量であることが特徴です。

ライズやロッキーは97PSとパワーがありますが、ターボエンジンのため燃費ではクロスビーに劣ります。

馬力ダウンでも新型を選ぶべき理由

馬力は旧型より19PSダウンしていますが、それでも新型クロスビーを選ぶべき理由があります。

1. 圧倒的な燃費性能の向上

WLTCモード燃費:18.2km/L → 22.8km/L(+4.6km/L)

年間1万km走行した場合の燃料費を比較すると、ガソリン価格を170円/Lとして:

  • 旧型:約93,407円(1万km ÷ 18.2km/L × 170円)
  • 新型:約74,561円(1万km ÷ 22.8km/L × 170円)
  • 年間差額:約18,846円の節約

5年間で約9万円以上の燃料費削減が可能です。

2. 最新の安全装備

新型クロスビーは、以下の最新安全装備を標準装備しています:

  • デュアルセンサーブレーキサポートII(自転車・自動二輪車も検知)
  • アダプティブクルーズコントロール(全車速追従機能付)
  • 車線維持支援機能
  • 車線逸脱抑制機能
  • ブラインドスポットモニター
  • アダプティブハイビームシステム

これらの先進安全装備は、馬力以上に日常の安全性を高めます。

3. 快適装備の充実

  • 7インチデジタルメーター(スズキ国内初)
  • 9インチ大型インフォテインメントシステム
  • 電動パーキングブレーキ(ブレーキホールド付)
  • スズキコネクト対応(初度登録から3年間無料)
  • 二段式センターコンソール(HYBRID MZ)

4. 環境性能の向上

新型クロスビーは、エコカー減税の対象となり、自動車重量税が軽減されます。

また、CO2排出量も削減されており、環境に配慮した選択となります。

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新型と旧型の比較はこちらの記事も参考にしてください。

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まとめ:新型クロスビーの馬力は「必要十分」

新型クロスビーの馬力は、旧型と比べて80PS(59kW)と19PSダウンしましたが、これは燃費性能と実用性を重視した結果です。

新型クロスビーの馬力 総評

【メリット】

  • 街乗りでは全く問題のない性能
  • 燃費が22.8km/Lと大幅に向上(+4.6km/L)
  • 自然吸気エンジンのスムーズで扱いやすい特性
  • 雪道や悪路での優れたコントロール性
  • 静粛性が旧型より向上
  • レギュラーガソリンで経済的

【デメリット】

  • 高速道路での追い越し加速は旧型に劣る
  • 満員乗車時はパワー不足を感じる場面も
  • 急勾配の坂道ではエンジンを回す必要がある
  • 旧型のターボのような力強さはない

結論:新型クロスビーの80PSという馬力は、日常使用には必要十分です。

特に、街乗りメインで燃費を重視する方には、旧型よりも優れた選択肢となります。

一方で、高速道路を頻繁に使用する方や、パワフルな加速を求める方は、トヨタ ライズやホンダ ヴェゼルなど、よりパワーのある競合車も検討する価値があります。

最終的には、「馬力」だけでなく「燃費」「安全装備」「快適性」「価格」など総合的に判断することが重要です。

新型クロスビーは、馬力はダウンしたものの、トータルバランスでは大きく進化したモデルと言えるでしょう。


関連情報

※記事内の数値は2025年10月時点のスズキ公式情報に基づいています。

実際の燃費や走行性能は、運転方法や道路状況、気象条件により異なります。

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