2025年10月に登場した新型クロスビー(XBEE)は、デザインの刷新だけでなく、燃費性能の進化にも注目が集まっています。
旧型クロスビーと比べて、どのくらい燃費が良くなったのか気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、新旧クロスビーのWLTCモード燃費を比較しながら、エンジンの改良点や走行性能の違いを詳しく解説します。
実際の街乗り・郊外・高速道路での燃費目安もまとめていますので、購入や乗り換えを検討している方はぜひ参考にしてください。
目次
新型クロスビーの燃費性能(2025年モデル)

新型クロスビーは、スズキの最新エンジン Z12E型 1.2L自然吸気ユニット を搭載。
燃焼効率の向上とCVT制御の最適化によって、日常走行でもスムーズで省燃費な走りを実現しています。
燃料消費率(WLTCモード)
- 2WD:22.8km/L
- 4WD:20.6km/L
※WLTCモードは、市街地・郊外・高速道路の各走行状況を組み合わせた実走行に近い燃費基準です。
旧型クロスビーの燃費性能(2017〜2025年モデル)
旧型クロスビーは、発売当初「JC08モード」での燃費値が公表されていましたが、後期型ではWLTCモードにも対応。
ここではより実走行に近いWLTCモードの数値で比較します。
駆動方式 | 測定モード | 燃費値 |
---|---|---|
2WD | WLTCモード | 18.2km/L |
4WD | WLTCモード | 17.0km/L |
旧型でもマイルドハイブリッドを搭載していましたが、エンジン・CVTともに旧世代のものだったため、燃費面ではやや劣っていました。
新旧クロスビーの燃費比較表(WLTCモード)

モデル | 駆動方式 | 燃費値(WLTCモード) |
---|---|---|
新型クロスビー(2025年) | 2WD | 22.8km/L |
旧型クロスビー(2017〜2025年) | 2WD | 18.2km/L |
新型クロスビー(2025年) | 4WD | 20.6km/L |
旧型クロスビー(2017〜2025年) | 4WD | 17.0km/L |
どれくらい燃費が良くなった?
比較してみると、
2WDでは +4.6km/L
4WDでは +3.6km/L
と、燃費が大幅に改善されています。
これは、スズキの新世代エンジン「Z12E型」の採用によるもの。
燃焼効率アップ・フリクションロス低減・CVTの制御最適化といった細かな改良が積み重ねられた結果です。
実燃費の違い(街乗り・郊外)

実際の街乗り燃費では、以下のような傾向が見られます。
走行条件 | 旧型クロスビー | 新型クロスビー |
---|---|---|
市街地走行 | 約13〜15km/L | 約16〜18km/L |
郊外走行 | 約17〜19km/L | 約19〜21km/L |
高速道路 | 約20km/L前後 | 約22km/L前後 |
カタログ値以上に、発進時や上り坂でのエンジン回転数の安定性が高まり、燃費の落ち込みが少なくなっています。
燃費が向上した理由|新型クロスビーの技術的進化
新型クロスビーの燃費が向上した背景には、スズキがこれまで培ってきた小型車技術の集大成ともいえる改良が詰め込まれています。
特に注目すべきは、エンジン・トランスミッション・車体構造の3点です。
新開発「Z12E型」エンジンを搭載
新型クロスビーには、スイフトやソリオにも採用されている Z12E型 1.2L自然吸気エンジン が搭載されています。
このエンジンは、旧型の「K12C型」から大幅に改良され、燃焼効率とトルク特性が進化しました。
主な改良点
- 燃焼室形状の最適化で熱効率をアップ
- 可変バルブタイミング(VVT)の改良による燃費制御の向上
- 摩擦抵抗を低減する新設計ピストンを採用
- 吸気ポートと燃料噴射の改良による空燃比の最適化
これにより、低速域での力強さと高速巡航時の燃費の良さを両立しています。
車体軽量化と空力性能の改善
スズキが得意とする軽量化技術「HEARTECT(ハーテクト)」構造を採用し、車体剛性を確保しながらも不要な重量を削減しています。
- 各パネルの板厚を最適化
- 補強材の配置を見直し、軽量化と剛性のバランスを両立
- バンパー形状やアンダーカバーの改良で空気抵抗を低減
特に空力面では、フロントバンパーの形状変更により Cd値(空気抵抗係数)が低下。
高速走行時の燃費にも貢献しています。
マイルドハイブリッドシステムの効率向上
新型クロスビーも引き続きマイルドハイブリッドシステムを搭載。
ただし、制御プログラムが刷新され、発電とアシストのタイミングがより自然になっています。
- 減速時の回生効率アップ
- 発進時のモーターアシスト量を最適化
- 12Vリチウムイオンバッテリーの充放電効率を改善
この改良により、ストップ&ゴーが多い街中でもエンジン負荷を抑え、低燃費かつ滑らかな発進を実現しています。
タイヤと足回りの最適化
燃費性能に意外と影響するのが「タイヤの転がり抵抗」。
新型では、標準装着タイヤのコンパウンドを見直し、転がり抵抗を減らしながらグリップ性能を維持しています。
また、サスペンションセッティングも調整され、路面追従性の向上とともに走行抵抗の低減に貢献。
結果として、長距離走行での燃費安定性も向上しました。
技術的進化のまとめ
走行条件 | 旧型クロスビー | 新型クロスビー |
---|---|---|
市街地走行 | 約13〜15km/L | 約16〜18km/L |
郊外走行 | 約17〜19km/L | 約19〜21km/L |
高速道路 | 約20km/L前後 | 約22km/L前後 |
新型と旧型の比較はこちらの記事も参考にしてください。
まとめ|「数字以上に感じる進化」

新型クロスビーの燃費性能は、単なるカタログ上の向上にとどまりません。
実際に走らせてみると、発進のスムーズさ・エンジン音の静かさ・加速時の軽快さなど、運転感覚そのものが洗練されています。
スズキが長年積み重ねてきた軽量・低燃費技術の集大成ともいえるモデル。
「走りやすくて経済的」な一台として、街乗りからアウトドアまで、より幅広い層におすすめできます。