「クロスビーは福祉車両として使えるの?」
コンパクトSUVのクロスビーがかわいくて、おしゃれ。
だけど、車いすでの移動や、介護が必要な家族に使えるのかな?」と迷っている方も多いかもしれません。
この記事では、クロスビーを福祉車両として検討する際に押さえるべきポイントを解説します。
目次
クロスビーに“公式”の福祉車両設定はない
スズキの福祉車両(ウィズシリーズ)には、ソリオ・スペーシア・エブリイなど車いす移動車や昇降シート車がラインナップされていますが、2025年1月時点ではクロスビーの公式福祉車両はありません。
そのため、
- 「車いす用スロープやリフトが標準装備されている」
- 「両側スライドドアで乗り降りがラク」
といった一般的な福祉車両のイメージとは異なります。
それでもクロスビーを選ぶメリット
クロスビーの魅力は、デザインやサイズ感の良さがあり、個性を発揮できることが挙げられます。
デザイン性・個性
クロスビーは丸みを帯びたSUVスタイルで、色のバリエーションも豊富。
外観重視の方や「いかにも福祉車両」という雰囲気を避けたい方に好評です。
SUVらしい車高の高さ
クロスビーは最低地上高が高めなので、段差や荒れた路面でも走りやすいメリットがあります。
レジャーやアウトドアが好きな方には嬉しいポイント。
ほどよいコンパクトサイズ
クロスビーは全長3,760mm×全幅1,670mmと、日本の駐車場事情でも扱いやすいサイズ感。
運転に慣れていない方でも比較的とりまわしやすいでしょう。
デメリット:車いす利用の場合は工夫が必要
クロスビーを車椅子で利用したい方には、デメリットもあります。
ドアがスライド式ではない
一般的に、車いす利用者にはスライドドアのほうが乗り降りしやすいです。
クロスビーのようなヒンジドアだと開閉スペースを多く確保する必要があるため、立体駐車場や狭い場所だと使いづらさがあるかもしれません。
標準仕様では車いす固定用レールやスロープがない
車いすのまま乗車するためには、社外の改造業者やディーラーオプションを活用して、車内のシートアレンジやリフトアップシート(助手席回転シート)程度を検討することになります。
本格的に車いすごと乗り込む形(スロープ・リフト)を望む場合は、ソリオやスペーシアなど、はじめから車いす移動車として設定されている車種を選んだほうが手間もコストもかからない場合が多いです。
補助金や減免制度は個別にチェック
自治体や障がいの種別、購入する改造内容によっては、自動車取得税・自動車税の減免制度が利用できる場合があります。
ただし、改造部分が“公式福祉車両”として認められるかどうかで申請可否が変わるケースも。
具体的な金額や申請手続きは自治体によって異なるため、必ず事前に役所やディーラーに確認しましょう。
実際にクロスビーを福祉車両にしている事例は?
ネット上では、足を使わずに手を使ってアクセルとブレーキの操作が可能になる手動運転装置をつけたクロスビーがありました。
他には、「車内をフラットにしやすいようシートアレンジを工夫した」などの事例があります。
ただし、車中泊などの使い勝手を上げるようなものが多く、本格的な「車いす移動車」に改造している事例は、軽バン(エブリイ)やハイトワゴン(ソリオ・スペーシア)に比べるとかなり少数です。
「助手席回転シートをクロスビーに付けた」というような事例もありませんでした。
ディーラーや専門業者に個別相談して、「予算」「改造範囲」「安全性」「メンテナンス」などを細かく確認することが不可欠となります。
まとめ
クロスビーが最適か、他の福祉車両が最適かを見極めよう
クロスビーはデザインやSUVらしさが魅力ですが、標準で福祉車両化されているわけではないため、車いす利用がメインのご家族には必ずしも使い勝手がよいとは限りません。
一方、「普段使いはおしゃれなSUVで楽しみたいが、簡単な介助ができる程度の装備がほしい」という程度なら、後付けのオプションや改造でカバーできるケースもあります。
最終的には、試乗や実車確認が大切です。
車いすの乗り降りや助手席回転シートの角度など、「実際の使い方」を具体的にイメージしながら、専門スタッフと相談のうえ検討しましょう。